A Blog Entry on Bayesian Computation by an Applied Mathematician
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- トーマス・ベイズ 1701-1706:イギリスの牧師・数学者
- ベイズの定理:確率論において,条件付き確率の計算手段を与える定理
- ベイズ○○:○○(分野名)におけるベイズの定理の応用
- 例:ベイズ統計,ベイズ機械学習,ベイズ推論,……
- 例外:ベイズ計算(ベイズの定理の通りに実際に計算をするための計算手法の総称)
多くの応用を持つが,原理は同一である.
ベイズ深層学習,ベイズ最適化,……
1 Who: ベイズとは誰か?
1.1 始まりは区間推定の問題であった
- 決定的特徴:未知のパラメータ \(\theta\) に対する確率分布を考えている.
- 与えられている観測のモデル \(p(y|\theta)\) に対して,逆の条件付き確率 \(p(\theta|y)\) を考えれば良い.
- そのための計算公式として「ベイズの定理」を導いた (Bayes, 1763).
2 What: ベイズとは何か?
2.1 ベイズの定理
一般には次の形で使う: \[ p(\theta|x)=\frac{p(x|\theta)p(\theta)}{\int_\Theta p(x|\theta)p(\theta)\,d\theta} \]
2.2 ベイズ推論のもう一つのピース「事前分布」
2.3 帰納的推論の確率的拡張としてのベイズ推論
2.4 生物の不確実性の下での推論のモデルとしてのベイズ推論
脳の平時の活動は経験的事前分布を表現していると解釈できる (Berkes et al., 2011)
脳の神経回路はベイズ推論(正確には,事後分布からのサンプリング)を行っている可能性がある (Terada and Toyoizumi, 2024)
3 How: ベイズはどう使うのか?
3.1 「ベイズ計算」という分野
\[ p(\theta|x)=\frac{p(x|\theta)p(\theta)}{\int_\Theta p(x|\theta)p(\theta)\,d\theta} \]
ベイズの定理で終わりじゃない.
→「どう実際に計算するか?」(特に分母の積分が問題)
ベイズ統計,ベイズ機械学習…… はすべてベイズの定理を使っている.
→効率的で汎用的な計算方法を1つ見つければ,多くの応用分野に資する.
3.2 「ベイズ計算」の問題意識
受験問題で出題される積分問題は,解析的に解ける異例中の異例
加えて,「解析的に解ける」もののみを扱うのでは,モデリングの幅が狭すぎる
どんな関数 \(p(x|\theta),p(\theta)\) に対しても積分 \[ \int_\Theta p(x|\theta)p(\theta)\,d\theta \] が計算できる方法が欲しい.
3.3 積分はどう計算すれば良いか?
数値積分(グリッド法)
→ Riemann 積分の定義を地で行く計算法
→ 3次元以上でもう現実的には計算量が爆発する
モンテカルロ積分法
→ 確定的なグリッドを用いるのではなく,乱数を用いる
It is evidently impractical to carry out a several hundred-dimensional integral by the usual numerical methods, so we resort to the Monte Carlo method. (Metropolis et al., 1953, p. 1088)
4 When: ベイズはいつ使えるか?
5 Why: なぜベイズなのか?
6 参考文献
Footnotes
(Shiryaev, 2016, p. 272) (34) も参照.↩︎