全部で2ステップで考える.
1 数字の数を減らす
まずは式を簡単にすることを考える.
\[ 43-\Box{}+28=56 \]
は \(43+28=71\) を先に計算して,
\[ 71-\Box{}=56 \tag{1}\]
と簡単にできる.
この時点でもう \(\Box{}\) の値は解るかも知れないが,ここでは次の一手を講じてみる.
2 両辺に同じものを足し引きする
式 (1) の両辺から \(56\) を引くと,\(71-56=15\) だから, \[ 71-\Box{}-56=56-56 \] \[ 15-\Box{}=0 \]
と計算できる.もうすぐに \(\Box{}=15\) が判る.
3 (隠し手)
式 1 の \(71-\Box{}=56\) の状態から「両辺に \(\Box{}\) を足す」と考えると,
\[ 71=56+\Box{} \]
となる.両辺から \(56\) を引くと,
\[ 15=\Box{} \]
を得る.慣れたらこれの方が速いけど,「\(\Box{}\) なんていう数字じゃない存在を,足し引きしても良いのか?」という疑問が出てきて,納得がいかないようならば,この方法は使わない方が良い.
実際,文字式(方程式)の考え方は SAPIX の指導要領に反する.
けど,開成の先生は,そういう(小学校の指導要領に含まれていない)解法を用いた場合でも,減点するなんてことはあり得ない,と漏らしている先生もいる(数学の清水先生).
4 応用
4.1 全く同じ方法でやってみると
Step 1 「数字の数を減らす」を実行しよう.\(3-17=-14\) だから,
\[ -14+\Box{}=16 \]
続いて,Step 2 両辺に \(14\) を足すと, \[ -14+\Box{}+14=16+14 \] \[ \Box{}=30. \]
この最初の \(-14\) というのが受け入れられないかもしれない.実際,「負の数」という単元は中学1年生の範囲であるようだ.そこで,これを回避するために,Step 2 と Step 1 を逆にする.
4.2 負の数を回避する
「両辺に同じものを足し引きする」Step 2 を先取りして,先に両辺に \(17\) を足しておくと,
\[ 3+\Box{}-17+17=16+17 \] \[ 3+\Box{}=33 \]
になる.もう殆どわかるが,厳密にやると,両辺から \(3\) を引いて, \[ 3+\Box{}-3=33-3 \] \[ \Box{}=30. \]