統数研での学生生活

統計数理研究所 大学院説明会

司馬博文

総合研究大学院大学(5年一貫博士課程)3年

5/23/2025

1 自己紹介

1.1 司馬博文 (Hirofumi Shiba)

1.2 研究テーマ

確率過程統計解析(学部)

拡散過程による株価のモデリング

dS_t=\mu S_t\,dt+\sigma S_t\,dB_t

「正しい」パラメータ \mu,\sigma の推定

確率過程による統計解析(大学院)

拡散過程によるサンプリング (Kreis et al., 2022)

dX_t = -\frac{\beta_t}{2}X_t\,dt+\sqrt{\beta_t}\,dB_t

パラメータ \beta_t を調整して目標の分布を学習

2 他の大学院との違い

① 教育システム

② 学生数:教員数の比

③ 経済的支援

2.1 統数研の教育システム

  • 総合研究大学院大学 ← 学生としての所属はここ
    • 先端学術院
      • 先端学術専攻
        • 統計科学コース(統計数理研究所)

        • 情報学コース(国立情報学研究所)

        • 天文科学コース(国立天文台)

        • 極域科学コース(国立極地研究所)

          \qquad\qquad\vdots

2.2 学生数

  • 学生総数34 名(2024 年4月1日)

    (うち社会人が 24 名)

    • 院生室にいる固定メンバーは 6 人ほど

      (うち 3 人は博士1年).

  • 所属研究者は 81 名(私調べ)

    • 授業は基本的に少人数
      • 準必修科目でも学生は多くて 3 人ほど
    • 先生方との距離が近い

2.3 経済的支援(独自のものに限る)

  • リサーチ・アシスタント

    月額 10 万円の雇用が7月から3月まで

  • 総研大特別研究員:要申請(研究計画書+面接)

    • SPRING:月額19万円(学振と同額)
    • BOOST:AI 特化だが月額30万(来年度で終わり)
  • 総研大研究派遣プログラム

    渡航費と研究支援金(滞在費)を援助

2.4 総研大の学生1人当たり教育経費

日経ビジュアルデータ (2024/12/25)

3 自分の場合

① 想定通りだったこと

② 想定外だったこと

③ まとめと注意喚起

3.1 想定通りだったこと

  • 博士を取ることは決めてるなら向いてる

    • これは大正解だった
    • 最初から研究者のたまご扱いをしてくれる
  • 入ってから面白いテーマに出会える

    • これも大正解
    • 入学後に統計関連分野を見渡せる稀有な場所
    • 指導教員との(分野的・人間的)相性,直感が大事

3.2 想定外だったこと

  • △ 経済的な支援が充実 → ○ 総合的な支援が充実

    • トップ層にとっては,金額的には他の大学の方が充実していることもある
    • しかし平均的な学生にかける金額は総研大が圧倒
  • △ 学生交流が薄い → ○ 同年代・同分野の交流は薄い

    • 総研大で見れば学生は多く,交流の機会も作れる
      • 先輩の三戸さんが空気を変えつつある
    • 身近な問題を相談できる人は確かに少ない

3.3 終わりに:注意喚起

  • 半強制的な交流は少ない
    • 院生室の人数は少ない
    • 同じ指導教員につく同年代の学生は基本いない
  • 主体的に動かないと何も起こらない
  • 自分の将来を考えて動けるのは自分だけ

博士を目指して積極的に動ける人にとっては天国

3.4 情報提供

紹介記事(本スライドの前身)

スライドの QR コード

参考文献